私の夢。

少し長くなります。



私の夢は、人に感動を伝えられる人になること、です。


それが、幼い頃からの夢でした。

感動の種類もその手段も、何でもかまいませんでした。

でも、これだと漠然としすぎです。

だから具体的に何をすればいいのか、とか。

全く決められませんでした。


それは高校を選ぶ時も、大学を選ぶ時も。

だからそれを理由にして、正直今まで努力と言える努力をしてきませんでした。

やる気も起こらなかったし。

そんな私に伝えられる感動なんて、あるわけがないのに。

手当たり次第にいくつも大学を受けて、しかも全部バラバラ。

共通点の全くない方面の学部を受けまくりました。



それでも何かを伝えたくて、「伝える」手段の中でも一番簡単でわかりやすくて、
だけど一番難しいものを。



言葉を。



この口から出るこれを使って伝えられたらいいなと思うようになりました。

元々人に自分の気持ちを話すのは好きだったし。


だからそんな勉強ができる大学をいつの間にか選んでいました。

偶然にも。


ここに来たのはただの偶然で気まぐれで、だけど入ったからには何かを見つけなくてはならなくて。

夢は夢を探すこと。

そんな言い訳をしながらの、なんとなくな大学生活が始まりました。



偶然に救われた面は数えきれません。

ここはあまりに新鮮でした。

今まできっちり１００メートルを１５秒インターバルで走り続けてきたのが、
急に好きな距離を好きな時に好きな速さで走っていいよと言われたような新鮮さ。

楽だけど、楽だけじゃない。

ゆっくり自由に走れることで、
今まで見えなかった周りの景色がはっきりと見え始めました。

私が単純に歳を重ね、経験を重ねた分も影響したでしょう。


ここに来てからの私は、一度も立ち止まっていません。

何かに手を引かれ、背中を押され、無理な速度では決して走らず、だから転ばず、

まっすぐではないけれど、確実にどこかに向かって進んでいます。


ラジオのＤＪになりたいと思いました。

自分の言葉が電波にのって、誰かの耳に届いたらいいなと。

少しでもその心に届いたらいいなと思いました。

だからそういう方面の勉強を始めました。

今までからは考えられないくらい、びっくりするくらい私は真剣でした。


真剣に自分と向き合って、心からの言葉を紡ぎ出す努力をしました。

それと同時に、それが相手にまっすぐ伝わる方法を考えようとしました。


そして見つけました。

それはラジオではありませんでした。




キッカケは、６月頃偶然観たドキュメンタリーでした。

最近の子供は、コミュニケーション力がなくなってきているらしいです。

・・・昔の子供がそれと比べてどうだったかなんて知らないですが。


とにかく、自己紹介もできない、自分の名前さえ言えない子供が増えているらしいのです。

それはとにかく衝撃的なドキュメンタリーでした。

結局出てきた子達は、熱心な一人の教師の努力によって心を開いていったのだけど。

でも、いなくなったわけじゃない。

この空の下にはまだまだそんな子がたくさんいるのだと、思い知らされました。


原因は、私がぱっと思いつくだけでもたくさんです。


外で遊ばなくなったり、
近所付き合いが減ってきたり、
親子の会話がなかったり、
親が教育を学校や塾に丸投げして自分は何もしなかったり、


他にも、他にも、とにかくたくさん。



そんな理由が積み重なって、今の現状があるのだとわかります。

こんな環境で、子供達はどうやったらコミュニケーション力を身につけたらいいのでしょう？



・・・答えは、今、私が勉強していることにありました。

私は大学に入ってから自分の考えを相手に伝える勉強を、
「望んで自ら」やっています。

もちろん、家庭や友達間で自然に身につけていけばそんな苦労はいりません。

だけどそれができないからこその今の現状です。

この勉強をもっと小さいうちからやっていたら。

ドキュメンタリーで取り上げられるような現状は、減らせるのではないでしょうか？

私はそう思います。


だから私は、そういうことができる道に進もうと思います。


それには資格がいります。

そういう大学に４年間行かないと、とれない資格です。

大学を色々探すうち、全国でたった１ヶ所だけ、３年間でとれる場所を見つけました。
しかもそこは大学院でした。

説明会にも行きました。

より一層決意は深まります。




ここに来てよかった。

ここのこの環境だからこそ、この勉強をしていたからこそ、見つけられた夢だから。



まだ遅くない。


私はこれから１年間、その大学院に入ることだけを考えて勉強しようと思います。

思いの強さでは負けません。

でも、落ちた学力は取り戻さないとどうにもなりません。

周りはそろそろ就職活動。

みんなエンジンがかかりだし、写真を揃えたりしている中。


私も、夢に向かってようやく踏み出し始めます。