鏡を再び。

「死にたい」「死にたい」って

毎日毎日つぶやきながら生きてきた。

自分を痛めつけて、自分を傷つけて、

それでも必死に生きてきた。


そうしたら、そうやって生きはじめてからが

「生きてる」って実感が一番、

これまでの人生の中で一番、

強く感じられていたような気がする。

不思議なことに。

皮肉なことに。


「生きている」ってことが、「今ここにいる」ってことが、

強く強く私をしめつけた。

泣いても叫んでもどうしようもない。

生きていることが一番つらい。

それが私を苦しめて、傷つけている。

生き続けることが、一番の罰になる。

だからまだ私はここにいる。

自分を傷つけ続けるために。



そんなことに必死で、一生懸命で、

救いを求めていた別の声に気づくことができなかった。

気づいていても、助けることができなかった。

力になることができなかった。


鏡の中の私。

夏のおわりに出会った、私にそっくりな人。

手をのばしても、どれだけ叫んでも、

月はひとつしかない。

水面に映った月にどれだけ手を伸ばしても、

そこに本物はないから。

わかっていても、何も言えなかった。


同じように遅れて浜に打ち上げられた彼女を、

わかってあげられるのは鏡のむこうにいる私だけだった。

それなのに、支えになってあげられなかった。


悔やんでもどうしようもないから。

これから何ができるのかを、ずっとずっと考えている。

もう一度、鏡を見つめよう。